2019年取材予定先:シドニー /メルボルン/ロンドン/ パリ/ シンガポール / 東京 / 横浜 / 金沢

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シドニー|フォトグラファー Kimiko   

e  kimiko@joidea.com.au   m  +61 424 456 981

STORY

Location Balmoral Beach & Neutral Bay
Work Restaurant Owner & Chef
Love Family

Vol. 8  Ken

しあわせ競争をしている人


 

ヘアサロンのオープニングパーティでお料理を振る舞われていたKenさんとの初対面。ひと口でそのどうしようもない温かさに感動した私は、その後やって来るゲストへおせっかいな程にオススメしまくったという記憶があります。

レストランのオーナーシェフ、という立場からは想像もしていなかった言葉を聞くことに。「極端に言えば仕事内容は何でもいいんです。生活の糧であり、休みのために仕事しています。」昨年に念願の長男Lenくんを授かり、家族での散歩や買い物、目的もなくドライブした先で遊ぶ、という時間が一番楽しいと目元を緩めます。その背景にある「しあわせ競争」の詳細を聞き、合点がいきました。

 

 

小さな頃から「俺を超えろ」と父に言われ続けたKenさんは、米TVドラマ『フレンズ』のような余暇を仲間と楽しむ生活に憧れて、移住先にオーストラリアを選びます。2006年にケアンズでのツアーガイドから始まった永住権取得への道は、チャンスを求めて移動したシドニーで、オーナーシェフという形で落ち着くまで6年。その間、数々のトラブルを持ち前のフットワークの軽さで乗り越え、手に入れた家族とのシドニー暮らしを父親に見せられた時は本当に幸せだった、と感無量の表情で語るKenさん。

幸せな暮らしを求めた先にあったのが、実は天職だという料理の世界。アルバイト先のパスタ屋で料理の楽しさを知った大学時代、喜んでもらえるのがとても嬉しくて、なけなしのお金で友達に手料理を振る舞っていたそう。今でもKenny会と呼ぶ親しい友人との定期的なホームパーティーを開催し、私が驚いたあの料理はその一環だったと聞いて納得。温かさはKenさんの心だったのかーと。

 

 

それが仕事になり、カウンター越しに接するお客さまから作った料理へ対価をいただく、と実感した時にシェフとしての覚悟と責任が芽生えます。

また経営者として、縁を大切にスタッフが楽しく長く働けるお店づくりを心がけていると話します。イライラしたことも寝たら忘れる、というタフなメンタルに加え、「為せば成る」と楽観視する性質が、30名ほどのスタッフを抱える繁盛店の秘訣かも。

 

 

「幸せな暮らし」を軸にするKenさんにとって、仕事でストレスになりうるお金と人間関係を健全なものにすること、そして家には心の安らぎを求めて仕事をもちかえらないというのは自然なことのよう。それは、スタッフが来る一時間前の出勤、帰宅直前の一服、という特に何をするわけでもない時間や休日のジム通いやランニングで、家庭人と経営者との切り替えをするんだとか。

家で泣き言も愚痴も言わないし暗くなることもない、と言って笑う妻のYumiさん。偶然にも取材当日が結婚9周年。2007年に共通の友人を通じて出会った翌週にお付き合いを始め、Kenさんが急遽家探しをすることになったトラブルをきっかけに同棲開始。Yumiさんのワーキングホリデーの期限が迫る時にプロポーズ、と出会いから結婚までなんと1年半!

 

 

将来はオープンキッチンからお客さんを見渡せる小さなお店を持ち、そこで夫婦で一緒に働きたい、というどこまでも仲良しなおふたり。そこにいるだけで幸せになれるような温かいお店になるんだろうなと、今から楽しみです!

Feb 2018